2020/05/31 11:12
先日のアメリカ、ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性が白人警官に首を圧迫され死亡した事件に対して、Beenie
Man, Gramps Morgan, Ziggy Marley, Cecile, Queen IfrikaなどのセレブたちもSNSなどを通して抗議の声を上げています。
ジャマイカは多くの人が有色人種ですが、アメリカ、イギリス、中国、インドなど、さまざまな国のルーツを持つ人たちがおり、“Out of many, One People”「様々な人々がひとつになる」というスローガンはジャマイカの国章として掲げられています。
▲ジャマイカの国の紋章。2人の人間はジャマイカ原住民のタイノ人、アラワク人を表していると言われている。
しかし、実際にジャマイカにいると、肌の色の薄い人たちが高い地位についている感が否めない…。観光地などではあからさまに外国人が優遇される場面もあります。実際、わたしのジャマイカ人の友人も観光地のジャーク・レストランでそのような目に遭って、「あんなレストラン二度と行かない。自分たちが先にいたのに後から入ってきた外国人を優先した」と話していました。自分が自分らしくいられる、そんな自由な風土のジャマイカが大好きなわたしですが、残念ながら肌がより黒い人達への差別は、完全になくなってはいないようです。
レゲエのアーティストたちが独立から60年近く経った今も「バビロンを倒せ」「解放しろ」と同じメッセージを変わらず歌うのには、差別的な構造が無くなっていないという実感があるのだと思います。
アメリカで、武器を所持していたわけでもない15歳の黒人少年が白人警官に撃たれて亡くなったのは、つい2年前のことです。また同じような事件が起き、アメリカを中心に大規模なデモが起こっていますが、日本のメディアでその様子が報道されるボリュームは少ないです。デモ隊の中に白人が黒人に混ざって抗議していることが、この悲しい出来事の中に見える希望かもしれません。
先日のジャマイカのFM802ことIrie FMでも、ムータ・バルーカという風変わりなラスタのおっちゃんが「アメリカは自由の国なんだろ?え?自由の女神がある国なんだろう?!」と、この事件に関してむちゃくちゃ怒っていました。ジャマイカの人たちにとっても、被害者は同じ黒人、他人事ではありません。
▲ムータ・バルーカ。常々ジャマイカ人や黒人の解放について訴えている活動家。ジャマイカでは超有名人!
Sam CookのA change is gonna comeはジャマイカのダンスでソウルがかかるタイミングでよく耳にしますし、日本のレゲエシーンでもかかりますよね!
この曲は黒人であるサム・クックとそのバンドが、当時白人専用であったホリデイ・インにチェックインしようとして逮捕されたことがきっかけで生まれたそうです。
▲ジャマイカのレゲエアーティストもカバーしていますが、やはりオリジナルをここぞという時にかける、というのが良いみたい。
A change is gonna come / Sam Cook
[Verse
1]
I
was born by the river in a little tent
生まれたのはあの川のほとりにあった小さなテントの中だった
And
just like that river I've been running ever since
僕はその川と同じように流れ、さまよい続けてきたのさ
[Chorus]
It's
been a long time coming
こうなるまでに随分時間がかかったけれど
But
I know a change is gonna come, oh yes it will
それでもこれから何かが変わるって、僕にはわかるんだ
[Verse
2]
It's
been too hard living but I'm afraid to die
生きるのもすごく大変だけど、だからって死ぬのも怖いんだ
Cause
I don't know what's up there beyond the sky
だってあの空の向うに何があるのか僕は知らないから
[Verse
3]
I go
to the movie and I go downtown
映画に出かけたりダウンタウンに行ったりすると
Somebody
keep telling me don't hang around
ここらをうろつくなって言われるんだ
[Verse
4]
Then
I go to my brother and I say brother help me please
アニキのところへ行って助けてくれって頼んだら
But
he winds up knockin' me Back down on my knees
最後には殴られて地面に膝をつかされた
There
been times when I thought I couldn't last for long
もう無理だって思ったこともあったけど
But
now I think I'm able to carry on
やっと今思える、これからも生きていこうと
A change is gonna come... 変化はいつ訪れるのでしょうか。